
ぱっちりした二重まぶたにした、脂肪がついた上まぶたや下垂した下まぶたをすっきりさせたい、などと願っている人は少なくありません。若い世代では年齢が上がるにつれて、まぶた全体を引き上げたり、シワやたるみを取りたいという、二重まぶたに対する要望が強く見られます。
では、眼瞼(まぶた)の構造はどうなっているのでしょうか。実は眼瞼は顔の中でも、特殊な部位の一つといわれています。眼瞼は薄いのですが、何層もの組織から成っており、またその一つずつが特殊な組織でできているからです。
表側からみると、顔と一続きになっている皮膚があります。この皮膚は人体の中でもっとも薄く、軟らかいのが特徴です。そのために皮膚にひだが刻み込まれ、引き込まれて二重まぶたとなるのです。ここを手術する際には硬さを作り出すと不自然になってしまいますので、細心の注意が必要です。
皮膚の下にある二層目は、皮下脂肪なのですが、これも特殊で眼瞼のふちに行くほど皮下脂肪が薄く、ほとんど見られません。したがってクッションがない状態となり、ちょっとした瘢痕で癒着が生じやすくなっています。
三層目は眼輪筋という筋肉で、その名の通り眼瞼をぐるりと輪状に取り巻いています。この筋肉が収縮すると眼瞼が閉じるという仕組みになっています。
四層目には脂肪があり、そのうち眼瞼のふちにあるものを瞼板前脂肪と呼びます。ここに脂肪が多くついていると眼瞼全体が腫れぼったく見えます。ふちから離れた部分にあって眼球を取り囲んでいる脂肪は眼窩脂肪と呼ばれ、これが前に押し出されると、やはり腫れぼったい眼瞼となります。
五層目には、眼瞼挙筋と瞼板があります。眼瞼挙筋は眼球の奥の方から発して瞼板に付着し、眼瞼を開くための開くための筋肉です。挙筋は瞼板の上方数ミリは腱膜という、しっかりした線維膜で、この挙筋からは、繊維が瞼板の前方で瞼板前脂肪層と眼輪筋層を抜けて、皮膚に向かって走行しています。この繊維が走行しているため、私たちの瞼には重瞼線(まぶたが二重まぶたになる線)ができると考えられています。東洋人ではこの線の高さに個人差があるため、はっきりした二重まぶたの人とほとんど一重に見える人に分かれるというわけです。
瞼板は眼瞼のふちにあって、軟骨のようにまぶたを支えているものですが、これが眼瞼のふちのカーブと作り出しています。
眼球に接する六層目は眼瞼結膜です。
ここで説明したのは上眼瞼(上まぶた)の構造ですが、下眼瞼(下まぶた)ではやや構造が違ってきます。まず瞼板の縦幅が上眼瞼ほどは広くないこと、そして下眼瞼にも上眼瞼の挙筋と相対する筋はあるのですが、作用は弱いことなどです。
「眼は心の窓」などと言われ、もっとも表情が現れる部位のひとつですが、それを支えているのは、こんなにも複雑な構造であるからです。
一見、単純そうに見えるまぶた、しかしその構造は実に複雑です。脂肪の層、筋肉の層など合わせて6つの層から成り立っています。
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