
本来、外科手術である脂肪吸引は、痩身の最終手段として用いられるものです。脂肪吸引以外にも、ダイエット療法、エクササイズ、その他いろいろな方法があり、特に肥満で内臓脂肪がたまっているような場合には、まず健康の面からもダイエット療法などで全身の痩身を考えるべきでしょう。
しかし意志が弱く、いくら他の方法を試みてもリバウンドを繰り返してしまう人や、どうしても痩せない部分があり不満を持っている人には、脂肪吸引は適した方法でもあります。
顔であれば加齢にともなって脂肪がついた頬やアゴの線、ボディであれば二の腕、腕の付け根の背中側、下腹部、腰から後ろの腰骨の上、ヒップと足の境目、足の外側、内側、ひざの上、ふくらはぎなどは、ダイエットや運動ではなかなか痩せることができず、脂肪吸引の方が手間がかかりません。
脂肪吸引をするためには、まず適度な厚みの皮下脂肪層があることが条件となります。よく10代、20代の女性で筋肉質のふくらはぎを細くしたいとの希望がありますが、筋肉やむくみは吸引することはできません。力を入れて筋肉を緊張させた時に、どの程度の贅肉がつまめるかなどを目安にしています。また、本来脂肪吸引は肥満の解決にはなりませんが、度合いを測るbody mass indes(BMI)の数値が高いほど皮下脂肪層が厚く、したがって患者さんが要求する吸引量も多くなります。
吸引する脂肪は、皮下脂肪のうち中間層・深層脂肪を吸引する場合が多いのですが、部位によっては上部の「表在性脂肪」を吸引する場合もあります。
方法としては、まず立った状態で脂肪吸引を行う場所、行わない場所を決め、ボディの上に書き込んでデザインします。小さな範囲ならば局所麻酔を、広範囲に渡る場合は全身麻酔を行います。日帰り手術に対処するためには、tu-mescent法、硬膜外麻酔法、神経ブロック法、NLA変法などを組み合わせます。そして、皮膚を数ヶ所、それぞれ2〜4ミリほど切開し、脂肪吸引専用のポンプいつなげた直径2.0〜3.5ミリのカニューラを挿入し、動かして吸引します。
術後は重力によって脂肪が下垂しないように、約1ヶ月間はボディスーツを着用することが必要です。切開口はすぐに目立たなくなりますが、腫れなどが完全に引くまでには2〜3ヶ月、つっぱるなどの知覚異常が消えるまでには約半年を要します。
脂肪吸引で特に注意すべきことは、脂肪の取りムラを作らないことです。もっと細くという患者さんの希望にあわせて、部分的に取りすぎないよう、全体の仕上がりを見ながら細いカニューラで均一に吸引を行います。十分な解剖学、生理学的知識を持ち、ていねいな手術を行うことで予防できます。
最近は幅広い年代の女性が脂肪吸引を希望されますが、吸引を行った後に皮膚がたるんでしまう場合があります。エイジングに対処するには同時に皮膚切除を行うケースもあります。
また、これから脂肪吸引を行ってみよう、と考えている方に知っておいてもらいたいのは、脂肪吸引を行っても、必ずしも効果が現れるとは限らないことです。先に述べた皮下脂肪が薄い場合は吸引してもあまり変わらないでしょうし、ふくらはぎの筋肉やむくみを吸引することは不可能です。
他にも内臓脂肪が多く、腹壁の筋力が弱い人などは、腹部の脂肪吸引を行っても、中から内臓が押してくるのを支えきれず、したがって腹部がへこまない場合があります。脂肪吸引さえすれば部分痩せができるとは考えずに、食事や生活習慣の見直しも必要です。
痩せにくい部分も痩せられると人気の高い脂肪吸引。しかし外科手術として体に負担がかかることや、腹部に内臓脂肪がある場合にはあまり効果はありません。
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